Researches (3)

粒子モデルによる群集行動の計算科学 - 災害時避難計画の支援ツール -

 

研究担当:後藤仁志,原田英治

 

[特設ページ:Virtual Transit Mall 京都四条] 

京都四条のトランジットモール計画検証のための群集シミュレーションを紹介する特設ページを開設しています.仮想都市における群集歩行シミュレーションの具体例をご覧下さい.

 

群集行動モデル

人間を一つの粒子と見れば,群集は粒子が集合した粒状体です.都市域の交通流や群集移動は,粒状体の流動現象として解釈できる物理的側面を持っています.ただし,個体すなわち人間は,場の情報を取得して能動的に判断して行動しますから,この点を考慮した数理モデルが必要となります.当研究室では,群集行動シミュレータCBS-DE(Crowd Behavior Simulator for Disaster Evacuation)を開発し,津波等の水害時の群集避難,地下街,トンネルなど地下空間からの火災時の群集避難,さらには,群集行動モデルによる駅前広場の基本計画など,市街地の計画・設計に関する課題にも取り組んでいます.

津波
   津波来襲時の小市街地から背後の高台への群集避難

地下街避難
洪水時の地下街からの群集避難


火災時の道路トンネルからの群集避難

個体ベースモデルでは,避難者個人を追跡するので,種々の属性を個体に付与することが可能で,避難経路情報の周知の有無など,様々な避難シナリオに基づくシミュレーションが実施できます.災害時のパニック避難だけでなく,平時の群集行動にも適用が可能です.建設予定の駅前広場の歩行帯幅を合理的に決定するツールとしての応用研究にもCBSが活用されています.

駅前広場
駅前広場の群集行動

ヒューマンスケールの視点

都市問題は複雑で,一般に言われるように文理総合的なアプローチが必要ですが,都市で発生する様々な現象の本質は人間の相互作用にあります.社会心理的要因など定性的な扱いの域を出ないものもありますが,多数の人々の信頼を得るに足る科学的な予測提示の手段として,数理モデルに基づいて定量評価できる現象に関しては早急なモデル開発が必須です.この場合,現象の素過程の記述がポイントですが,個々人の相互作用を直接計算するLagrange型の群集行動モデルは,人間相互作用系としての都市の人間行動の本質を記述できる可能性を秘めています.今後の計算技術の進歩により10万人規模の行動計算が可能となれば,仮想空間での社会実験のツールとしてのVirtual Cityの構築も視野に入ってきます.

 

このテーマに関する主要文献

  • 後藤仁志・原田英治・丸山由太・高橋和秀・大庭啓輔:津波防災のための市街地改造計画に対する避難行動シミュレータの貢献,海岸工学論文集,第55巻,pp.1371-1375, 2008.
  • 後藤仁志・原田英治・酒井哲郎・丸山由太:Boid型群衆モデルによる津波避難シミュレーションの提案,海岸工学論文集,第53巻,pp1311-1315, 2006.

詳細は「Publications」のページを参照下さい.

 

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